ブラームス/ホルン三重奏曲

マヌエル・エスカウリアサ(2021)
CD(Ibs CLASSICAL IBS182022)

ホルン三重奏の3世紀
1.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40(1865)
2.リゲティ/ホルン三重奏曲(1982)
         「ブラームスへのオマージュ」
3.ロベルト・シエッラ/ホルン三重奏曲(2021)

 マヌエル・エスカウリアサ(ホルン)
 ミゲル・コロム(ヴァイオリン)
 デニス・パスカル(ピアノ)
 録音 2021年12月12〜15日
  マヌエル・デ・ファリャ音楽堂

 マヌエル・エスカウリアサは、パリ国立歌劇場管弦楽団のホルン奏者です。3つの世紀にわたる作品を演奏しています。
 ブラームス(1833〜1897)のホルン三重奏曲は1865年に書かれた作品です。4つの楽章で構成されています。第1楽章のホルンは良い響きでホルン・トリオらしくホルンが目立つ演奏です。エスカウリアサのホルンはレガート気味で良い響きです。ヴァイオリンとピアノの響きもきれいです。展開部のホルンもきれいな演奏です。再現部もホルンとヴァイオリンのきれいな響きが見事です。第2楽章のスケルツォはピアノ、ヴァイオリンとホルンが明るく歌います。ピアノの響きも素晴らしいです。トリオのホルンとヴァイオリンがきれいな響きで素晴らしいです。ピアノもまたきれいな響きです。第3楽章のアダージョ・メストはピアノの前奏があって哀愁的な主題が歌われます。ホルンとヴァイオリンの調和のとれた響きがきれいです。エスカウリアサのホルンがきれいに響きます。ピアノも良い響きです。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」はホルンの活躍が素晴らしいです。厚い響きの演奏は素晴らしいものです。ヴァイオリンとピアノも良い響きでフィナーレの響きは大変素晴らしいものになっています。ホルンの活躍は勿論で勢いのある見事な演奏です。これは名演です。
 リゲティ(1923〜2006)のホルン三重奏曲は1982年の作品でバウマンが初演していました。リゲティがブラームスへのオマージュとして作曲した4楽章のホルン三重奏曲です。12音技法の大変難しい曲です。この3人の演奏は明快でわかりやすく聞いていて気持ちがいいです。エスカウリアサのホルンは完璧で抜群のテクニックで演奏しています。第1楽章のアンダンテ・コン・テネレッツァはミュートのホルンもあります。きれいな演奏です。第2楽章のヴィヴァーチッシモ・モルト・リトミコは速いテンポですが素晴らしい演奏になっています。ホルンはミュートも使います。テクニックを要する楽章です。良い演奏です。ピアノの演奏も素晴らしいです。第3楽章はアッラ・マルチャです。ヴァイオリンとピアノが華麗な響きで始まります。ここでもホルンはミュートを使います。やがてホルンも力強い演奏を聞かせてくれます。第4楽章はラメント、アダージョです。哀愁的な響きに始まります。そして華麗な響きになります。ホルンも良い響きです。最後は間をおいて静かに終わります。見事な演奏です。
 ロベルト・シエッラ(1953〜)のホルン三重奏曲は2021年に書かれた作品です。4つの楽章で構成されています。第1楽章のヴェロスはピアノとホルンとヴァイオリンが力強い演奏をしています。ヴァイオリンは力の入る演奏です。これはホルンもピアノも勢いのある演奏です。最後はホルンがきれいに響きます。第2楽章のファンタスマジョリコはホルンが力強い響きで演奏しています。これは凄いです。ホルンが主役のようです。第3楽章はヴェロス、これは速めのテンポでぐいぐい進みます。ピアノ、ヴァイオリンとホルンが力強い響きの演奏です。第4楽章はフェロス、ホルンが力強い響きで始まります。ピアノもヴァイオリンも力強い演奏です。まさに現代的な作品といえます。不協和音はありませんので見事な演奏です。これは凄い演奏です。


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