ブラームス/ホルン三重奏曲

デイヴィッド・クーパー(2017)
CD(NAXOS 8.579137)

ホルン三重奏曲集
1.バークリー/ホルン三重奏曲Op44
2.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
3.レシュノフ/ホルン、ヴァイオリンと
    ピアノのための三重奏曲(2016)

 デイヴィッド・クーパー(ホルン)
 アレクサンダー・カー(ヴァイオリン)
 オライオン・ワイス(ピアノ)
 録音 2017年9月5〜7日
     世界初録音(3)

 シカゴ交響楽団の首席ホルン奏者、デイヴィッド・クーパーによるホルン三重奏曲集です。
 レノックス・バークリーの「ホルン三重奏曲」はデニス・ブレインのホルンで知られる名曲です。第1楽章「アレグロ」はホルンで始まります。ブレインのような音色でクーパーのホルンが聴かれます。これは大変きれいな響きです。ヴァイオリンとピアノに支えられてホルンが見事な演奏をきかせてくれます。第2楽章「レント」はピアノに始まり、やがてヴァイオリンも静かに始まります。そしてホルンも穏やかに始まります。後半には盛りあがりをみせて良い響きになります。第3楽章は主題と変奏です。ピアノで主題が提示されます。やがてホルンによる変奏が華やかに響きます。ブレインが楽しそうに吹く様子が思いうかぶほど見事な演奏です。速いテンポの変奏はヴァイオリンが見事な演奏です。そしてホルンのきれいな演奏が続きます。最後は細やかで見事な演奏です。名演です。

 ブラームスの「ホルン三重奏曲」は4つの楽章で構成されています。第1楽章のホルンは良い響きでホルン・トリオらしくホルンが目立つ演奏です。クーパーのホルンはレガート気味で良い響きです。ヴァイオリンとピアノの響きもきれいです。展開部のホルンもきれいな演奏です。再現部もトリオのきれいな響きが見事です。第2楽章のスケルツォはピアノ、ヴァイオリンとホルンが明るく歌います。ピアノの響きも素晴らしいです。トリオのホルンとヴァイオリンがよい響きで、ピアノもまたきれいです。第3楽章のアダージョ・メストはピアノの前奏があって哀愁的な主題が歌われます。ホルンとヴァイオリンの調和のとれた響きがきれいです。クーパーのホルンがきれいに響きます。ピアノも良い響きです。第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」はホルンの活躍がめざましいです。厚い響きの演奏は素晴らしいものです。ヴァイオリンとピアノも良い響きでフィナーレの響きは大変素晴らしいものになっています。ホルンは勢いのある見事な演奏です。これも名演です。

 ジョナサン・レシュノフ(1973〜)の「ホルン三重奏曲」は2016年の作品ですが、ブラームスの影響を受けた作品らしいです。2つの楽章で構成されています。第1楽章は遅めのテンポで、ヴァイオリンとホルンがきれいな主題を歌います。ピアノも良い響きです。現代の作品とは思えないほどロマンティックな響きです。第2楽章はスケルツォ風のテンポで勢いのある演奏です。これは少し現代風の響きも感じます。後半は力強い響きで、ホルンも力強い演奏です。主題はきれいです。見事なトリオです。11分ほどの作品ですが、これからは演奏されそうです。演奏は素晴らしいものです。ホルンのグリッサンドもあります。最後も良い響きです。見事な演奏です。


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