ブラームス/ホルン三重奏曲

フランシス・オーヴァル(1976)


LP(PHILIPS 15PC-74〜75)
CD1(PHILIPS PHCP-9085〜6)
CD2(DECCA UCCD-9878)

LP グリュミオーのブラームス
1.ヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」
2.     〃     第2番イ長調
3.     〃     第3番ニ短調
4.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
 アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
  フランシス・オーヴァル(ホルン)(4)
  ジェルジ・シェベック(ピアノ)(1〜4)
  録音 1976年2月15〜19日(1&4)
      1975年9月9〜12日(2&3)

CD1 ブラームス/三重奏曲集
1.ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op8
2.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
3.ピアノ三重奏曲第2番ハ長調Op87  
4.ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op101
5.クラリネット三重奏曲イ短調Op114
  ボザール・トリオ(1、3〜5)
  フランシス・オーヴァル(ホルン)(2)
  アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)(2)
  ジェルジ・シェベック(ピアノ)(2)
  ゲオルゲ・ピーターソン(クラリネット)(5)
  録音 1967年(1、3&4)
      1976年2月15〜19日(2)
      1979年5月18〜20日(5)
CD2
1.シュ−ベルト/弦楽五重奏曲ハ長調D956
2.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
  アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)(1&2)
  アルパド・ゲレツ(ヴァイオリン)(1)
  マックス・ルズール(ヴィオラ)(1)
  パウル・サボ(チェロ)(1)
  フィリップ・メルムー(チェロ)(1)
  フランシス・オーヴァル(ホルン)(2)
  ジェルジ・シェベック(ピアノ)(2)
  録音 1979年10月1〜5日(1)
      1976年2月15〜19日(2)

 LPはグリュミオーのブラームスです。ヴァイオリン・ソナタとホルン三重奏曲は同時進行で録音されていました。
 CD1はブラームスのピアノ三重奏曲5曲をまとめたものです。ホルン三重奏曲以外はボザール・トリオ、ホルン三重奏曲はグリュミオーのヴァイオリン、シェベックのピアノ、ホルンがオーヴァルです。CD2はシューベルトの弦楽五重奏曲とブラームスのホルン三重奏曲です。もとはフィリップスの録音です。
 シューベルトの弦楽五重奏曲はヴィオラが2つではなく、チェロが2つという編成で低音の充実をはかったようです。やや穏やかな雰囲気の第1、第2楽章ですが、メロディの豊かなことには感激です。第3楽章のスケルツォは激しいリズムで勢いがあります。弦楽五重奏の醍醐味があります。第4楽章では歌曲の王シューベルトの歌うメロディが次々と流れます。
  ブラームスのホルン三重奏曲はグリュミオーのヴァイオリン、シェベックのピアノ、オーヴァルのホルンで演奏されます。オーヴァルのあまい音色のホルンと艶のあるグリュミオーのヴァイオリンが素晴らしい演奏を生んでいます。この録音はともすればホルン・オブリガート付きのヴァイオリン・ソナタのようにも聞こえてくるほどにグリュミオーのヴァイオリンがあまりにも良い響きです。オーヴァルのホルンがおとなしく感じる第1楽章です。第2楽章のスケルツォはバランスの良い演奏で素晴らしい。ピアノも良い響きです。第3楽章は哀愁的な主題が流れます。ホルンの響きが物悲しく聞こえてきます。第4楽章は勢いのある演奏でヴァイオリンとピアノの主張とホルンの応答が面白く、不思議なほど新鮮に聞こえてきます。多くの録音の中にはパールマンやスーク、シゲティといったヴァイオリニストが演奏したものがありますが、グリュミオーほど強烈な印象を受ける録音はないでしょう。文句なしの名演です。


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